白根三山縦走の重要な宿泊地である農鳥小屋の状況が例年と異なるようなので、実際にこの目で確認してきました。
小屋泊やテント泊を考えている人にとって参考になるように記載していくので、ぜひ確認してから登山してください!!
農鳥小屋とは
農鳥小屋は西農鳥岳と間ノ岳の間にあり、北側にある北岳山荘から約2時間30分、南側にある大門沢小屋からは約6時間の場所に位置していて、白根三山を縦走する方にとっては欠かせない場所にある宿泊地である。
この農鳥小屋が存在していないと、1日の歩行時間が非常に長くなってしまう。
農鳥小屋のトイレ
農鳥小屋のトイレは非常にユニークなシステム(劣悪なシステム)を採用しており、ボットン便所どころか、出した物が直接スライダーに載っかり、谷に落ちるシステムである。
当然水洗なわけもなく、トイレの外のドラム缶に雨水が貯めてあり、脇に置いてあるジョウロで自ら流す。
ちなみにドラム缶に水は無く、流せる状態では無かったので、詰まって前の方の物がありました。覚悟して行ってね!!
トイレがあるだけで幸せと思いましょう。
一応、女性専用のトイレもあったので安心。
お尻を拭いたトイレットペーパーは捨てる場所はないので、持ち帰るのがルールとなっているよ!!
スーパーのビニール袋だと匂いが漏れるので非常に不快。オムツを入れる用の袋があると臭いが漏れずに便利だよ!!
※トイレットペーパーは用意されていないので、必ず自分で持って行こう!!
農鳥小屋のおやじさん
農鳥小屋のおやじさんは「登山者への優しさが強い」で有名。
その優しさは夕方以降に到着した登山者に対して身を案じて叱ってくれるそう。
登山をしている人なら有名なので聞いたことがあるかもしれない。
叱られるのは怖いけど、当然のことを教えてくれる大切な存在ね。
夕方に近づくと農鳥小屋のおじさんは遅くに到着する登山者がいないか監視しているという噂もあるよ!!
今年度の農鳥小屋の営業
そんな農鳥小屋のおじさんは2023年は腰を痛めてしまっているという噂。
そのため農鳥小屋には管理人がいない状況なのである。
大門沢小屋の管理人が臨時で管理しているようだが、基本的にはノータッチに近い。
食事も出てこないし、売店もない。
避難小屋の状況だよ。
中の雰囲気はこんな感じでした!!
- 避難小屋素泊まり5000円
- テント泊は1000円
水場について
例年、農鳥小屋は水場まで、往復30分かけて水を取りにいく。
少し面倒であるが、宿泊地で水が手に入るのは非常にありがたいことだ。
しかし、今年は管理人がいないこともあり水場から水が出ていないとの情報。
実際に水場まで行ってきた
水場は撤収しましたと親切に書いてあるので、間違えて降りることはないだろう!!
今回は本当に水が無いのか、しみ出す水を一滴でも取れればと期待し調査のために歩きました。
無いって書いてあるんだから、普通の人は行かないよね!!
登山道とかわらない道を下っていくよ!!
半分のポイントに標識あり!!
下りで約15分、水場へ到着!!
辺りを見渡したけど、一切水はありません。
行かない方が良いと思います!!(笑)
水の使用量と確保の方法
水場に行っても水が手に入らないことは事実のようで、どうにかして水を確保する必要がある。
水の使用量
私は広河原から奈良田までをテント泊で縦走した。
今回の農鳥小屋で水が確保できずに困る区間は北岳山荘~大門沢小屋までのエリア。
必要な水の量はザックリと
- 北岳山荘~間ノ岳~農鳥小屋の行動(約2時間30分)=1リットル
- 農鳥小屋での食事(夜飯、朝飯、飲み水) =1リットル
- 農鳥小屋~大門沢小屋の行動(約4時間20分) =1リットル
の合計3リットルが目安となるだろう!!
前の小屋や水場から運ぶ
今回のケースの場合、北岳山荘は蛇口を捻れば水を無料でわけてくれるため、そこで給水する。
補給した後は当然重くなるが、農鳥小屋までの歩行時間は長くないので我慢しよう!!
予め情報があったから、水を運ぶのに空のソフトボトルを持って行ったよ!!
プラティパス
プラティパスはアメリカのソフトボトルメーカー。
プラティパスのソフトボトルはリーズナブルな価格が魅力。
また、耐久性の高い三層構造を採用しており、繰り返し使っても破れにくいため登山好きから高い人気を誇っています。
プラスチック特有の気になるニオイがないのもうれしいポイント。
エバニュー
ソフトボトルは中身を飲みほしたあとに折りたたみが可能なため、とにかくコンパクトにできるよ!!
容量2Lのタイプで50gほどなので非常に軽い。
天水の利用
奈良田の方面から登る場合は行動時間も長く、厳しい登りなので天水の利用も考えるべきだよ。
北岳方面からの人も天水をしようすれば荷物が軽くてすむ!!
小屋には雨水が貯めてあり、それを金色の柄杓ですくう。
雨水なので、残量が心配だが、2023年8月12日は満タンに入っていた。
心配なのは水質よ。。。
ソーヤーミニとは
ソーヤーミニとは小型の浄水器であり、微生物などの不純物を100%近く除去して安全な飲料水にすることができる。
携帯できる手のひらサイズ(非常に軽い)という利点もあり、登山の他に防災グッズとしても人気。
使い方
ボトルに取り付けるだけで沢水などを浄化して飲用できる点やフィルター交換が不要な点が優れています。
口に入れる物だからこそ信頼が重要
ソーヤーミニは、世界70か国超の被災地や難民キャプで使用されているといわれています。
汚水をフィルターでろ過して飲むのは勇気が必要ですが、世界で使用されている実績と信頼のあるソーヤーミニであれば安心して飲めます。
浄水の方法
ソーヤーミニの本体である浄水器の中には、”ホロウファイバーメンブレーン”という中空糸膜が入っています。
これには0.1ミクロン(1万分の1ミリ)の穴が無数に入っており、不純物を濾過して飲用水に変える仕組みなのです。
除去できる菌と性能
大腸菌やサルモネラ菌、コレラ菌やチフス菌やボツリヌス菌など多くの菌を除去することができる。
除去率は世界最高水準を誇り、高性能だよ!!
北海道のエキノコックスも除去できるみたい。
まとめ
今回は農鳥小屋の営業状況と水場の最新情報について、実際に行って見て確認が取れたので共有させていただきました。
トイレはスライダー式なので通過の際は確認してみてね!!
農鳥小屋の水場に関しては使用することができないが、天水は使用できる。
天水を使用する場合は浄水器を使って、その後、煮沸するべきだと思いました。
(浄水器を使って煮沸したのでお腹を壊すことはなかった)
天水を使用するのが気になる方は、隣の小屋(北岳山荘か大門沢小屋)から運ぶべきだと思います。
せっかくの登山なので、体調を崩すことのないよう、万全の状態で臨みましょう!!
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